リーガルハイ11話(最終話)のあらすじ
仙羽化学の訴訟から1年後、決定打となった証拠を渡してくれた八木沼佳奈はライバル会社にヘッドハンティングされるも、不当な扱いを受けて社内で飼い殺しにされる。その結果仕事で成果を出せずに解雇処分となり、黛に不当解雇の訴訟を依頼した。
この話を持ち寄り、1年ぶりに古美門の元へ訪問し、協力を煽るが忙しいことを理由に断られてしまう。仕方なく1人で担当する黛だったが、法廷で古美門が登場。しかしそれは相手(被告代理人)となる三木との共同弁護であり、黛vs古美門の戦いを意味していた。
主な登場人物
- 村上
演 – 近江谷太朗
バイオケミカル研究で成果をあげ、将来のノーベル化学賞候補だと言われている研究者。
フロンティアケミカルに所属していたとき、劣悪な環境にも負けず研究を続けていた。八木沼が訴えている不当な解雇は無かったと証言する。- 金沢
演 – 榊英雄
元フロンティアケミカルラボ営業部社員。係長待遇で仙羽化学にヘッドハンティングされていたが、不当な扱いを受け、解雇されている。- 石神勇気
演 – 東幹久
フロンティアケミカルラボ社長。仙羽化学社長の池部とは大学の先輩と後輩の関係であり、彼と共謀して八木沼に報復人事を行ったとされる。(Wikipediaより引用)
全体のストーリー
仙羽化学のライバル会社のフロンティアケミカルラボに飼い殺しにされた八木沼は、不当解雇を主張するも古美門によって主張を阻まれてしまう。
1年前に八木沼のおかげで勝てたのにも関わらず、この仕打ちはどういうつもりなのかと怒りをぶつける黛に対し、手足が生えるどころかおたまじゃくしに戻ったなと嘲笑う古美門。弁護士倫理に反するのではないかと黛に言われ、この件から引きずり下ろすことも考えるが、服部に「古美門を倒すチャンスがやってきたのでは」と煽られてしまう。結果、古美門に宣戦布告をし、真っ向勝負を仕掛ける黛だった。
黛は八木沼と同様に、フロンティアから仙羽化学に引き抜かれて不当な扱いを受けて解雇された金沢を法廷に呼ぶが、三木に独特な趣味(女性下着と鞄にムチ)を法廷で暴かれる。不当解雇の原因は他にもありそうだと悪い印象を与えてしまった。
古美門は黛を事務所に呼び、このままでは負けるからすぐに和解を申し込めと命令する。黛はこれを『勝利のために非情になれ』というメッセージだと受け取るが、古美門と同じようには立ち回れないと葛藤していた。
これを聞いた服部はある助言をする。「旅人のコートを脱がすのは、北風ばかりではありません」黛先生には別の手法がお似合いですと伝えたのだった。
服部の助言を聞いた黛は早速動き出す。まずは杉浦検事に助言を求め、相手の証人を利用しろと教わった。他にも古美門清蔵、圭子シュナイダー、大貫、そして最後に共同弁護をしている三木にまで接触。本当の相手は古美門ではないかと発破をかける。
「三木先生にとって掛け替えのない方が命を落とされたのは、古美門先生が裁判に引きずり込んだからですよね?」
三木が引き取って娘のように育てた沙織さんの命を奪ったのは他でもない古美門である、そう沢地が言うと、三木は古美門を倒すべく共同弁護を無視した行動をとる。
元々フロンティアの研究員で、今は独立してノーベル賞を受賞した村上の証言。黛は相手の目をじっと見つめ、懇々と研究者の指標として質問を続ける。本当に八木沼への待遇は適切だったのか?と。
黛のまっすぐな目と言葉に改心した村上は、古美門から金銭的援助を受けていたにも関わらず意見を変える。八木沼は不当な待遇だったかもしれない、と。
三木が裏切り、これに激昂する古美門。黛の口車に乗せられて恥ずかしくないのか!?と叫ぶ古美門に対し、三木は刺し違えても古美門を倒すことを覚悟を示したのだった。
秘書の沢地は報復人事の決定的な証拠を提出。古美門は沢地が自分に好意があることから、証言の信用性がないことを主張するも返り討ちにあう。まさに絶体絶命だったが、まだまだ古美門は強気だった。
「君たちは致命的なミスを犯したことに当然気付いてるんだろうな?最も大事な鍵を投げ捨てたことだよ」と黛たちに告げる。その鍵とは池部社長のことだった。スポーツジムで池部に接触しようとするも黛に止められ、頼みの加賀蘭丸も黛にそそのかされ役者に専念すると協力を拒否。黛は徹底的に古美門潰しを図っていた。
自分を負かす相手を育てるために黛を事務所で雇ったのではないか、と服部に言われる古美門。服部から見て、勝ち続けないといけない人生から解放されようとする古美門の姿は清々しいようにも見えていた。
もう古美門に残された手は全てなくなった。八木沼の尋問後に、法廷で語る黛。「正しい人が報われる世界を目指す、夢物語と言われようと、理想が現実を覆すのだ」と。
勝利を確信した黛は、最後に池部の証人尋問を追加する。
最後に口を開いた池部は、なんと黛の思惑とは真逆の発言をするのだった。「不当な待遇だったという事実はない、八木沼が解雇されたのは残念でならない」と。これを聞いて衝撃を受ける黛だったが、続く石神の証言でも同様に報復人事の事実はないと証言。
沢地の証言でもある報復人事の会話も携帯のデータに残っておらず、証拠不十分となり原告の請求は棄却という判決が下る。黛は最後の最後に負けてしまうのだった。
見事に形勢逆転を果たした古美門は言う。「裁判は夢を探す場ではないのだ」と。
黛の語った内容を真っ向から否定し、法と証拠に基づいて判決を下すべきだと主張した古美門は、最後まで無敗神話を守り抜いた。
「池部の証人尋問さえなければ勝っていたのに」と言われて悔しがる黛。しかし素直に負けを認め、最後に残った問題を解決しようとする。それは三木との因縁だ。
古美門が奪った”沙織”の命。これについてしっかり三木と話し合うべきだと黛は言う。古美門は三木の元へ行くと、2人は事務所で殴り合いを始めたのだった。それを見て泣く井手と高笑いする沢地。そして呆れる黛だった。
“沙織”の正体、それはハムスターだったのだ。かつて薬品の投与実験のためにハムスターである沙織が犠牲となり、それを強行したのが古美門だったという。この事件をきっかけに古美門と三木の仲が悪化し因縁の相手になったのだ。
全ての真実を知った黛は事務所に帰宅し叫ぶ「なんじゃそりゃぁぁ〜〜!!!!」
リーガルハイ11話(最終話)の名言
名言①:正義は立場で変わる。勝った者こそが正義なのだ
(法廷で被告代理人として依頼を受けていた古美門に対して黛が問い詰めるシーン)
黛「どういう神経なさってるんですか?」
古美門「私だって三木と並んで仕事などしたくないが、フロンティアの代理人になってしまったのだから仕方がない」
「引き受けるべきではないでしょう!」
「なぜ?」
「これが報復人事だということは、先生が一番よく分かってらっしゃるからです」
「報復人事だとしてどこが悪い?」
「あの女が内部告発したせいで、仙羽化学第四工場は操業停止に追い込まれ、世界をリードするはずだった研究から日本は大きく後退してしまった」
「国益は大きく損なわれ、得をしたのは死に損ないの老人たちだけだ。報復されて当然だ」
「どの口で言うんですか!?あなたと私がそうしたんでしょう!」
「忘れたね」
「佳奈さんは私たちと絹美地区の皆さんのために自己犠牲をしてくれたんですよ」
「自己犠牲? 違う。彼女は自分が善人だと思いたくて告発したんだ。自己満足だよ」
「それを他人のためだと言って悲劇のヒロインを気取ってる君たち2人はバカ女コンビだよ」
「何も変わってないんですね?」
「君もな〜」
「今回に関しては佳奈さんに正義があります。正しいことをした人が不幸になっていいはずがない」
「手足が生えるどころか卵に戻ったな。オタマジャクシ」
「正義は立場で変わる。勝った者こそが正義なのだ」
「法は正しい人が幸せになるためにあるものです!」
「0点だ。正しければみんな幸せになれるんだったら苦労はない」
「誰かの幸せは誰かの不幸せの上に成り立ってる…踏みつけるか踏みつけられるか、それが現実であり、踏みつけられるのは君たちのようなまぬけどもだ」
「先生がフロンティアの弁護をすることは弁護士倫理に抵触する可能性があります」
「だったら弁護士会に訴えて私をこの件から引きずり降ろせばいい」
「どうせ君は私に勝てないのだからーーー!」
名言②:私は理想が現実を覆せると信じています。必ず。
(八木沼の証言後に語った黛のセリフ)
「私は、この裁判で多くのことを学びました。」
「正義とは何でしょうか?法とは何でしょうか?」
「”この世界に正義などない””勝った者が正義だ”と言う人がいます」
「私もそうかもしれないと思った時期もありました」
「でも、今は確信を持って言えます」
「われわれ人間には正義を愛し、求める心があると」
「裁判は勝ち負けのゲームでも金もうけのギャンブルでもありません。また、傷つけ合う場でもないはずです」
「きっとどこかにある正義と真実を見つけ、みんなが幸せになれる道を探す場なのではないでしょうか」
「正しい人が報われ幸せになれる社会。そんなのは夢物語。現実は非情だ」
「確かにそうかもしれません…だけど、人は夢を見るから生きられるんです」
「理想を叶えようとするから、私たちはこの諦めに満ちた現実を生きていけるんです」
「私は理想が現実を覆せると信じています。必ず。以上です…」
名言③:この私も含め、愚かで感情的で間違えてばかりのちっぽけな生き物です
(池部の証言によって形勢が逆転したときに、古美門が反対尋問をした場面)
「原告は仙羽化学と御社が取引をしていたことを示す確たる証拠を何一つ挙げられていないのですから」
「その代わりそちらの弁護士先生が主張なさったことは、何の論理的根拠もなくひたすら情に訴えるのみの”女子中学生が同人誌に投稿して落選するライトノベル以下の作文”であり、しかも自分に酔って涙する始末」
「裁判は夢を探す場所?」
「そんなものが見つけたいならインドのガンジス川か下北沢の三流劇団に入りたまえ」
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「われわれは神ではありません」
「この私も含め愚かで、感情的で、間違えてばかりのちっぽけな生き物です…」
「そんな人間に、人間を裁くことはできるのでしょうか?…いいえ、できません」
「だから、人間に成り代わり法が裁くのです」
「どんなに怪しかろうと、どんなに憎かろうと、一切の感情を排除し法と証拠によってのみ人を裁く」
「それこそが我々人類が長い歴史の中で手に入れた、”法治国家”という大切な大切な財産なのです」
「むろん公明正大なる裁判所におかれましては、情緒的な弁論に惑わされることなど微塵もなく、徹頭徹尾法と証拠のみに基づいて判断なさることでしょう」
「そしてその場合結論は明白であります…以上」
リーガルハイ11話(最終話)の感想
最終話である11話は黛が今までの弁護士や検事に協力してもらいながら、全精力を注いで古美門を倒しに行くストーリーだ。
勝つために手段を選ばない、例え不幸になる人がいても、真実が明らかにならなくても、勝つために全力を尽くせという古美門流に対し、自分なりのやり方で恩師を追い詰める黛は、明らかに成長している事が分かる。服部の言うように古美門は自分を倒せるように部下に背中を見せて鍛えていあげていたんだろう。
これでついに古美門は無敗神話から解放される、そう思った矢先にあっさりと逆転して古美門が勝利。なんともリーガルハイらしい最後だ。
そして一番の見所は、黛の長い台詞を受けての古美門のアンサーである。(名言③)
『詰めが甘い』と言わんばかりにコテンパンに言い返して終える、まだまだ黛は古美門には敵わない。当分は古美門の無敗神話も潰えそうにない。