リーガルハイ2話のあらすじ
1話の勝訴で三木長一郎を怒らせてしまい、収入の大部分を支えていた大手クライアントとの契約を解消されてしまった古美門。
そんな中、古美門法律事務所に移籍した黛真知子は著作権侵害の訴訟を持ち帰ってきた。
その依頼内容とは、『自爆魂』というパンクバンドをやっているボーカルの「荒川ボニータ」。ダブルミリオンを達成し乗りに乗っている演歌歌手、柊しずかの「あれは恋でした」というヒット曲は、自身の曲『Don’t look back』のパクリだという。
古美門と黛は2人のパンクロックライブを観に行き、「どこかパクリだ!お前らの曲なんてパクる奴はいないと言っておけ」と言い捨てるが、黛はパクリだと言うのだった。
古美門はしぶしぶ依頼を引き受けることに
成功報酬の半額を報酬として、依頼を引き受けることに。作曲家の葛西サトシの顧問弁護士は三木だった。
歌詞とメロディが酷似していると古美門は主張。試しに黛が双方の曲を歌ってみるが、ひどく音痴であったため裁判官を惑わす結果になった。
対する三木はデータで示す。類似程度は33.8%という数字は盗作とはいえないと主張。黛の音痴っぷりに調子を狂わせられた結果、依拠性*の証明で押すという戦略に切り替える。著作権侵害の訴訟は類似性と依拠性の証明で進めるのが一般的。
(*葛西サトシが荒川ボニータの曲を知っていたという可能性)
裁判で追い込まれる
荒川ボニータの父親が実はこっそり葛西サトシに自爆魂のCDを送っていたという主張で依拠性を証明することに。
新川ボニータとジャンゴジャンゴ東久留米がパンクロック丸出しの格好で法廷に登場。三木が尋問で問い詰めると、相方のジャンゴジャンゴ東久留米が傍聴席で弾き語りをし始め、法廷から追い出されてしまう。服装や振る舞いに不安を訴える黛だったが、古美門の指示によるものだった。
柊しずかに著作権侵害の訴訟を起こしたことがマスコミに報じられると、ロックバンドはネットで炎上、ライブの客も減り、荒川ボニータの実家にいたずらされる始末。これにすっかり凹んだボニータは、訴えを取り下げようとしたが、父親に励まされて訴訟を続ける意志を固めた。
三木から和解を申し出てきたものの、古美門はこれを断る。「もう一度悲劇を繰り返すぞ」と意味深な一言を放ち、帰っていく。
服部さんに対し、「あなたの手料理を振舞う必要はないですよ」と古美門がいうと、「私が作っているわけではありません。そういう風に見せているんです」と答え、これであるひらめきが生まれる。
葛西サトシへの尋問
古美門は葛西サトシへの追加尋問を行う
「あなたモーツァルトですか?」
「は?」
「この3年間であなたが作詞作曲した曲は372。単純計算すると3日に1曲以上のペースで作っていることになります。」
「これはあくまで噂ですのでお気を悪くしないでください。葛西さんのプロデュース作品は全て葛西サトシさんが作詞作曲している、わけではない。」
「いわゆるゴーストライターが大勢いて、二足三文で買い取り、自分の作品として世に出している。でなければあれほど大量の曲を作られるわけがない。」
「根も葉も無い噂でしょうが、この訴訟に関しては避けては通れない問題です。万が一事実なら、あなたを問い詰めたところで真相が分かるわけがないですから…いかかでしょう?」
「もちろんデマです。全て私が作詞作曲しています」
「安心しました。天才ヒットメーカーと呼ばれる方々はこの手の悪意に晒されるのが、世の常ですね」
この受け答えで、葛西サトシはゴーストライターの存在を否定した。三木は正直に認めてしまったら良かったのに、というが、葛西サトシは自分の名前のブランドを守った。古美門は狙ってこの発言を出させ、あとはゴーストライターの存在を突き止めるだけとなる。
草の者である加賀蘭丸に密偵の依頼をして、この調査を進めるのだった。
作詞作曲担当のシャルロット松戸
いちご茶漬け・トリケラザウルスなど、特殊な造語がパクられていたのは、石塚冴子(かつての自爆魂の作詞作曲担当シャルロット松戸)が葛西サトシに楽曲提供をしていたからだった。
徐々に自分の楽曲を採用されていき、ついには荒川ボニータの作詞作曲した曲にまで手を出してしまう。これが「あれは恋でした」パクリ事件の全容だった。
これを荒川ボニータらに告げると、ボニータはシャルロット松戸のもとに向かう。
「なんでなの?私に曲作りを教えてくれたのさっちゃんでしょ?」
「私はあなたに音楽をやめさせられたんだよ?」
法廷で全て話すと松戸は話してその日は終わる。
約束の裁判当日、しかしシャルロット松戸は、黛からの尋問で葛西サトシに曲を売ったのか?と聞くと、「いいえ」と答える。
約束が違うので戸惑う黛。実は事前に三木の息がかかっていた。
逮捕されるのを恐れ、楽曲提供をしていないと嘘をつくのだった。
追加の証人、山内花江(荒川ボニータ)の証言
追加の証人尋問で、きちんと正装した荒川ボニータが登場。驚く黛に対して古美門は「ギャップだよ…」という。
実は先日、シャルロット松戸に会った際に、古美門から助言されていたように会話をボイスレコーダーに録音していた。
録音にはハッキリとシャルロット松戸が「葛西サトシに曲を売った」と言っており、非公式の証拠ではあるが裁判を決定づける証言となった。
最終的には三木のゴーストライターを認めてはどうか、という提案を葛西が断り、和解を選択。事実上の葛西の白旗で幕を閉じる。
荒川ボニータは曲が可哀想だから和解金は不要とし、基金を作りたいといって終了。葛西サトシ基金ができるという結果に終わったのだった。
リーガルハイ 2話の名言
最後の荒川ボニータこと、山内花江の証言。正装で綺麗なメイクをしたギャップ演出の彼女が言ったセリフ。
「歌っていうのは、人の心を癒したり、元気付けたりするものです。」
「本当は誰のものでもない」
「でも、歌を作るのは、子どもを産むようなものです。私が作った歌は、苦しんで産んだ我が子です。」
「その子が、いつのまにか知らない人にさらわれて、服を着せ変えられて、その人の子として世に出されたら、やっぱり…とても悲しいです」
「私は、子どもを取り返したいです。」
これに対し、葛西サトシの言葉。三木にプライドを捨て、ゴーストライターがいることを認めて訴訟を続けようと提案すると…
「プライド?俺が守りたいのはそんなものじゃない。」
「葛西サトシのブランドが地に落ちれば露頭に迷うスタッフが何人出ると思う?」
「俺だって音楽ビジネスの一つの駒なんだよ。天才ヒットメーカーという役割のね。」
「俺はモーツァルトでなきゃならないんだよ」
「…和解だ」
リーガルハイ2話の感想
著作権侵害という訴訟の王道的テーマだが、大手演歌歌手を底辺パンクバンドが訴えて、勝訴してしまうというクレイジーな設定はやはり面白い。個人的にはオチの部分である、和解でお金を取らないという結末も好きであり、古美門がタダ働きをしてしまう珍しい展開となった。
古美門は荒川ボニータがシャルロット松戸に会う前にボイスレコーダーを渡しておいて忠告するシーンは、三木の手の内を全て知って逆手に取るという小御門の格上っぷりを見られて、さすがは不敗神話を守るだけの実力だと痛感する。やはり彼は裁判で敵なしだろう。